何かと忙しい現代人にとって、日々の口腔ケアはついつい後手に回りがち。通学、就職、妊娠・出産、子育てといったライフイベントを経験する中で、口腔内の様々なトラブルにも見舞われることでしょう。
虫歯の進行と治療方法

虫歯(う蝕)とは、Streptococcus mutansやLactobacillus属などの細菌群が糖分を分解して作り出す酸によって、歯のカルシウムが溶けていく疾患です。20歳以上の約9割が虫歯にかかった経験があると言われていますが、ごく初期の場合を除いて自然治癒がほぼ期待できないため、早期発見・治療に努めることが何よりも重要です。
日本歯科保存学会認定医の資格を有する院長は、低侵襲[歯を削る量をできるだけ抑える]かつメタルフリー[天然の歯に近い見た目]な治療にこだわりを持って取り組んでいます。レントゲン写真をほぼ全ての症例で撮影しますが、これらは正確な診断のみならず、治療後の経過観察にも役立ちます。
虫歯の進行と治療方法
虫歯(う蝕)とは、Streptococcus mutansやLactobacillus属などの細菌群が糖分を分解して作り出す酸によって、歯のカルシウムが溶けていく疾患です。20歳以上の約9割が虫歯にかかった経験があると言われていますが、ごく初期の場合を除いて自然治癒がほぼ期待できないため、早期発見・治療に努めることが何よりも重要です。
日本歯科保存学会認定医の資格を有する院長は、低侵襲[歯を削る量をできるだけ抑える]かつメタルフリー[天然の歯に近い見た目]な治療にこだわりを持って取り組んでいます。レントゲン写真をほぼ全ての症例で撮影しますが、これらは正確な診断のみならず、治療後の経過観察にも役立ちます。
CO(シーオー) | 要観察歯

歯の表面にザラつきや白濁だけが起きたごく初期の段階。COのOは経過観察(observation)の頭文字から来ています。
〈治療方法〉
歯を削る必要はなく、フッ化物塗布やブラッシング指導で再石灰化を促します。
C1|エナメル質う蝕

虫歯が歯の最も外側にある「エナメル質」にとどまった状態。まだ痛みや違和感などの症状はありません。定期検診で発見されるケースがほとんどです。
〈治療方法〉
感染した部分をピンポイントで削り取り、コンポジットレジンと呼ばれる白い樹脂で修復します。治療は基本的に即日完了します。
C2|象牙質う蝕

虫歯がエナメル質を超えて、「象牙質」まで達した状態。食事や歯ブラシの刺激で痛みを感じることがあります。象牙質は軟らかいため、進行が早いのが特徴です。
〈治療方法〉
欠損が大きい場合は、インレー(部分的な詰めもの)やクラウン(全体を覆う被せもの)にて修復します。令和6年度より、ハイブリッドセラミックス(CAD/CAM冠)の適用が、左右とも噛み合わせが安定している条件付きで大臼歯にも拡大されました。型取りを基に作製しますので、2~3回の通院が必要です。

C3|歯髄まで到達したう蝕

虫歯が歯髄(歯の神経)まで侵入し、炎症が起きた状態。何もしていなくてもズキズキとした痛みが出てきます。
〈治療方法〉
感染した歯髄を取り除く「根管治療」が必要です。欠けた部分の周囲に局所麻酔を施した後、Ni-Ti製レシプロケーターファイルや拡大鏡、歯科用3次元CTといった最新機器を駆使しながら、根管内を徹底的に洗浄します。根管の無菌化が達成された後は、細菌の繁殖を防ぐため封鎖性の高いゴム材料(ガッダパーチャポイント)で充填します。平均的な治療回数は、前歯で3~4回、奥歯で5~6回です。
エンドモーター

Ni-Tiファイル

拡大鏡

C4|残根、歯冠が崩壊したう蝕

歯の頭(歯冠)が崩壊し、根っこ(歯根)だけが残った状態。歯髄が完全に壊死しているため、痛みを感じないことが多いですが、歯の内部では細菌が増殖し続けており、激痛や顔面の腫れといった重篤な歯性感染症につながるリスクがあります。
〈治療方法〉
歯を残すことが難しく、抜歯となるのが一般的です。
歯周病治療について

歯周病は、歯と歯ぐき(歯肉)の間に細菌が入ることで炎症を起こし、歯を支える骨が溶けていく病気です。歯周病を起こさないために何よりも大切なのは、予防するということ。
当クリニックでは効果的な予防メニューの提供とともに、患者さまお一人おひとりに合ったセルフケアをご提案します。
こんな症状、ありませんか?
- 歯と歯の間によく食べものがはさまる
- 歯みがきや、硬いものを食べたときに歯ぐきから血が出る
- 冷たいものや甘いものがしみる
- 歯がグラグラして動く感じがする
- 歯が長くなったように見える(歯ぐきが下がってきた)
- 歯ぐきから膿が出る
- 毎日歯をみがいているのに、口臭が気になる
これらの症状がある方は歯周病の疑いがあります。
当クリニックでは歯周病検査も行えますのでお気軽に来院ください。
義歯(入れ歯)の作製
歯を複数本失った後の治療として、ポピュラーなものが義歯(入れ歯)です。歯肉に見立てたピンク色の土台に、白い人工の歯をつけた構造で、噛み合わせと審美性の回復を目指します。「すぐに外れる、違和感がある」といったマイナスイメージを持たれがちですが、取り外しが可能なので口腔内を清潔に保ちやすい、お口の変化に合わせて修理や調整がしやすいといった利点があります。
義歯を使用することは、全身の健康維持にもつながります。例えば、「歯がほとんどなく、義歯を未使用の人」は、歯が20本以上残っている人に比べて認知症発症のリスクが1.85倍高くなるのですが、義歯を使用しているとそのリスクを大きく抑えられます。また、義歯をつけて噛み合わせを安定させることは、高齢者の転倒予防に有効だと国内の調査で明らかになっています。
保険適用の部分入れ歯では、クラスプと呼ばれる金具を残った歯に引っかけることで装置を安定させています。
より使い心地や美しさにこだわりたい方向けに、自費診療のノンメタルクラスプデンチャーや金属床義歯も取り扱っています。

ノンメタルクラスプデンチャー

金属床義歯
ノンメタルクラスプデンチャー | 88,000円〜198,000円(欠損歯数で値段は変わります) |
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金属床義歯 | 220,000円 |
顎関節症・歯ぎしり

顎関節症とは、「あごが痛む」「動かすときに雑音がする」「口を大きく開けられない」を三大症状とする疾患です。かつては20~30代の女性に好発すると言われていましたが、ストレス社会やスマートフォンの普及に伴い、男性や小中学生でも症状を訴えることが増えています。なお、顎関節の異常は、学校歯科検診の項目にも含まれています。
ほとんどの場合、その症状は一時的で、セルフケア(自己開口訓練、生活習慣の見直し)、スプリント療法(マウスピース)、低出力レーザー照射などで改善がみられます。手術が必要なほどに骨の変形や組織の癒着が進んだ症例では、高次医療機関と連携のうえで治療にあたります。
歯科におけるボトックス治療は、咀嚼筋群の一つである咬筋の過緊張を緩和させる目的で行います。ボツリヌス菌には、神経終末からのアセチルコリン放出を阻害し、筋肉の収縮力を弱める作用があります。施術は筋肉注射のみで、10分以内に完了。血液中に入ることはなく、痛みもわずかです。マウスピースによる予防と併用することで、より包括的なアプローチが可能となります。
ボトックス費用
1回目 | 33,000円 |
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2回目 | 11,000円 |
口腔粘膜疾患

国内で認可を受けている歯科用レーザーは4種類ありますが、当院では口腔粘膜の切開・止血および蒸散に適した半導体(ダイオード)レーザーを導入しています。
再発性のアフタ性口内炎、エプーリスと呼ばれる反応性増殖、唇にできた粘液のう胞(漏れ出した唾液が溜まった状態)、子どもの小帯付着異常、歯肉の黒ずみ(メラニン色素)の除去など多方面で活躍します。